HOME > マンションニュース > 2年切った地デジ完全移行 迫られる対応
2011年7月のテレビの地上デジタル放送(地デジ)移行まで、2年を切った。マンションの場合、テレビの共同受信設備を地デジ用に改修しなければならない場合がある。
古いマンションほど大規模な工事が必要になる可能性が高く、専門家は早急な対応の必要性を指摘している。
マンションの多くはテレビ放送受信のため、共同アンテナで受信した電波をケーブルで各戸に送る「共聴施設」を設置している。アナログ放送からデジタル放送に切り替えられることが決まったのは01年。それ以前に建てられたマンションは地デジを想定していないため、視聴のための工事が必要になるケースが多い。
東京都渋谷区の築42年のマンション(43世帯)では、2年前に地デジ工事の検討を始めた。「地デジが見られないと、不便で資産価値も落ちてしまう」とマンション管理組合の理事長(59)は話す。
経費節減のため、今年5月から7月にかけて行った大規模修繕工事と一緒に地デジ工事も行った。足場を組む費用を別にして、ケーブルの敷設などにかかった工事費は約450万円。理事長は「修繕積立金で地デジの工事費も賄えました」とほっとした様子だ。
総務省の今年3月の調査によると、マンションなどの共聴施設は約200万施設あり、地デジ対応は全体の約7割。残りは未対応で工事は計画中か未定。マンションの地デジ工事を請け負っている「東京アンテナ工事」(東京)の三矢宏社長は「早めに対応しないと、地デジ完全移行までに工事が終わらないこともある」と話す。
地デジ対策の相談を受け付けているNPO法人「集合住宅管理組合センター」(東京)によると、地デジ未対応のマンションが工事を行う場合、アンテナの新設かケーブルテレビ(CATV)への加入かの2種類に大別できる。
アンテナを設置する場合、マンションが地デジ電波を受信できる環境なのか、デジタル放送推進協会のホームページ(http://www.dpa.or.jp/)で確認した上で、屋上などに取り付ける。アンテナの価格は設置費なども含め、30万円前後。地デジ対応のテレビやチューナーが各戸に必要だ。
ただし、古いマンションではアンテナから各戸への配線が地デジに対応していないこともある。「新しいケーブルをマンション全体に引き直す工事が必要になる場合があります」と同センター代表理事の伊藤智恵子さん。100戸規模のマンションでは500万円程度が工事費の目安だ。
CATVの場合、各家庭にCATV会社のケーブルをつなぎ、地デジを専用チューナーで受信する。この方法なら、アナログ式テレビでも視聴できる。マンションによっては工事が必要になるが、契約者が多いと工事費が割り引かれることもあり、業者と話し合うことになる。また、各家庭は月3000円程度の利用料金を業者に支払うことになる。
CATVではなく、光ファイバー回線を使う方法もある。伊藤さんはさまざまな方法を検討し、複数の業者から見積もりを取ることを勧める。「地デジだけでいいのか、衛星放送なども導入するのか、工事費と月々の費用をどこまで負担するか――がポイント。住民同士で話し合ってください」と伊藤さんは話している。
受信方法が不明の場合、総務省の地デジコールセンター(0570・07・0101)が相談に応じている。
●読売新聞
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